11月にしても体はその寒さは堪えた。
午後からは雪が舞い始めて 脳の中まで冷え込んでしまっていた。
気がつくと僕は自分の脳の中にいたのだった。
自分の眼球を内側から観るのは初めてだったが驚くようなことは無かった。
真っ赤な血の色の鶏頭の花で脳内が満たされていた。
わずか5分たらずのできごと ここ この世界とは別の世界へにいっていた
そしてそのまま脳神経外科病院の病室へ直行なのだった
医師とは全く話がかみ合わないのだ 僕の話は聴いてくれない 興味も無いようだった
つまり忙しいのだ
早朝のほぼ水平に病室に差し込む光は、雑木林のブナの小枝の震えを優しく投影していた
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